※あくまで個人的に情報を漁ってまとめたものなので、違う点があったら教えてください。
ハーレーの種類を判断するときの主な要素は3つ。
<1、エンジンの種類>
<2、ファミリーの名前で判断>
<3、記号からモデル名を判断>
雑誌や店によって1~3の全部が表記されているわけではないので、これを理解するのにけっこう大変だった。
<1、エンジンの種類>
ハーレーのエンジンの呼び方は“名前”とエンジンの形状などからつけられた“通称(○○ヘッド)”の2通りある場合がある。
特に昔は同じ種類のエンジンでもマイナーチェンジをするサイクルが早かったため、ニックネームのほうがメジャーになっている。
細かい仕様やテクニカルなことはよくわからないので、おおまかな特徴だけ記載します。
○サイドバルブ(1884年~)
排気量:~750ccハーレーの最初のVツインエンジン。
ヘッドに冷却フィンが付いているのが特徴。
1929年から登場したサイドバルブエンジンを「フラットヘッド」と呼ぶ。
○ナックルヘッド(1936年~)
排気量:988cc→1200cc
ヘッド=ロッカーカバーが握り拳のような形をしている。
○パンヘッド(1948年~)
排気量:1000cc→1200cc
ヘッドが鍋(pan)を裏返したような形をしている。
○ショベルヘッド(1966年~)
排気量:1200cc→1340cc
ヘッドがショベルのような形をしている。
○エボリューション(1984年~)
排気量:883cc、1200cc
ハーレーのエンジンは当時トラブルが多く、他のメーカーに押されたのもあり人気が落ち気味だった。
エボはそれまでに比べてかなり改良され、大きくハーレーの信頼性を向上させたことから“Evolution=進化”という呼ばれ方をしていた。
HD社が正式につけた名前は「ブロックヘッド」だが、“かっこわるい”という理由でこの呼び方は流行らなかったらしい。
現行車だとスポーツスターファミリーに搭載している。
○ツインカム88(1999年~)
排気量:1449cc
当時アメリカの速度規制が緩和されたことで「もっとパワーのあるエンジンが欲しい」という声から生まれたエンジン。
カムが2本(DOHC=ダブル・オーバー・ヘッド・カムシャフトを示す)あり、排気量が88キュービックインチ。
登場した際に「ファットヘッド」という通称がついているが、ブロックヘッド(エボ)以来、通称で呼ぶことがあまり根付いていない。
※キュービックインチ(ci) とは、インチ(2.54cm)の3乗。1ci = 16.387cc
○レボリューション(2002年~)
排気量:1131cc→1246cc
ハーレー市販モデルとしては唯一の水冷エンジン。
VRSCファミリー(V-Rodファミリー)に搭載している。
エンジンで見分けるというよりは、車両自体がいわゆるハーレーのイメージとは違うのですぐわかると思う。
“ポルシェと協同開発”なんて噂もあるが、実際はハーレーが水冷エンジンにチャレンジした際にポルシェに相談したことからこう言われるようになった。
ようは共同開発ではなく“ポルシェも開発に協力した”ってとこ。
ようは共同開発ではなく“ポルシェも開発に協力した”ってとこ。
○ツインカム96(2006年~)
排気量:1584cc
それまでキャブレター方式だったツインカム88からインジェクション(FI)方式に変更されたエンジン。
また、ギヤも6段変速に変わった。排気量も96キュービックインチにアップ。
現行のFL系・FX系はこのエンジンを積んでいる。
エンジン性能は向上したが昔に比べてドコドコ感が落ち着いていたり、FI車はキャブ車用のパーツが適合しなかったり、素人がいじりづらくなっているので、ここらへんで好みが分かれるところかもしれない。
○ツインカム103(2011年~)
排気量:1689ccツインカム96をさらにボアアップさせた大排気量エンジン。
ツーリングモデルの一部に搭載している。
見た目はあんまりツインカム96と変わらない。
○ツインカム110
排気量:1801cc
ハーレーで現在一番デカい排気量のエンジン。
CVOというスペシャルなモデルにのみ搭載されている。
標準装備のエアクリに「110」と数字が書いてあるのが判断基準かと。
※サイドバルブ以前にシングルエンジンも製造されていたが、博物館に展示される程度。
もっと詳しいハーレーの歴史はこちら。
エボ以前の旧車に対してはエンジンで呼ぶことが多いみたい。
<2、ファミリーの名前で判断>
ファミリー=シリーズのこと
○スポーツスターファミリー
スリムな車体にエボリューションエンジンを搭載。
他のファミリーと比べて値段が100万近く安いので、乗っている人は多い。
車体も軽いので女性にも人気。
○ダイナファミリー
ダイナグライドと呼ばれる2本サスがあるのが一番わかりやすい特徴だと思う。
現行モデルのエンジンはすべてツインカム96。
○ソフテイルファミリー
ソフテイルと呼ばれるリジッド風のサスを採用
(外からは見えないサス)。
クラシック色強し。
現行モデルのエンジンはすべてツインカム96。
○VRSC(V-Rod)ファミリー
水冷DOHCエンジン採用の現代的なモデル。
水冷はVロッドファミリーしかないのでラジエーターの有無でわかる。
○ツーリングファミリー
ソフテイル系の車体に風防やサイドバッグが装備されたツアラーモデル。
見た目ですぐわかるかと。
現行車のエンジンはツインカム96とツインカム103。
○CVOファミリー
Custom Vehicle Operationの略。
ハーレーのメカニックマンが純正パーツのみでカスタマイズしたハイエンドモデル。
“最初からがっつりカスタムしてあるツーリングモデル”という感じ。
オーナーが手を加えてなければエアクリーナーの「110」の表記でわかる。
<3、記号からモデル名を判断>
まずはじめ2文字の基本となる記号でどのファミリーなのか判断できる。
FL:前後16インチタイヤ。クラシカルモデル。現行はソフテイルとツーリングファミリー。
FX:後16、前は19or21インチタイヤ。スポーツ&カスタム系モデル。現行はダイナファミリー(一部ソフテイルファミリーもあり)。
XL、XR:スポーツスターファミリー。
この後ろにどんな記号が付くかで、“モデル名”がわかる。
例えば、
XL883N = スポーツスターの“アイアン883”
XL1200N = スポーツスターの“ナイトスター”
FXDWG = ダイナの“ワイドグライド”
FXDB = ダイナの“ストリートボブ”
FLSTFB = ソフテイルの“ファットボーイ ロー”
現行車の元祖モデルなど、古いモデルだと記号=モデル名の場合もある。
例)FL、EL、FXなど
また、もとのモデルが判別できないほどカスタムされた車両もアタマ2文字だけで呼ぶこともあるみたい。
それぞれのアルファベットにも意味があるが、同じアルファベットでも年式、ファミリーによって違ったりする。
好きな人たちは記号とモデル名はほとんど暗記しているみたい。
個人的には記号までは無理して覚えなくてもいいんじゃないかと思うけど。
ざっとこんな感じです。
もっと詳しくちゃんと知りたい場合はVirgin Harleyのサイトとかおススメ。
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TC88の説明文でカムが2本でDOHCって書いてあるが、恥ずかしいので訂正しておいた方がよいですよ。
返信削除DOHCはヘッドにカムが入ってて、ハーレーのツインカムは腰下2本あるからツインカムって呼ばれてるんです。